日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.53,No.5 (2025)

表題:
災害時における微生物汚染対策の重要性と今後の課題
[4]災害時における消毒剤の重要性
著者:
尾﨑恵太((株)ニイタカ 技術部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.53,No.5,pp.145−149(2025)

近年,国内において局所的な集中豪雨や大震災といった自然災害が多発している。このような自然災害発生時には,公衆衛生基盤が破壊され,避難所等の密集した空間における感染症リスクの増大が懸念される。感染症は感染源,感染経路及び感受性者の3つの要因が揃って初めて発生する。そのため,感染症の制御には感染源の除去,感染経路の遮断,感受性者の対策が重要である。中でも感染源の除去,感染経路の遮断において有効な消毒剤について,次亜塩素酸ナトリウム,エタノール,塩化ベンザルコニウムの3つを取り上げて,その特徴について紹介する。また,災害時の消毒・殺菌対策として手指衛生及び環境消毒があり,具体的な手順やその重要性についても述べる。

Key words:
Disaster(自然災害)/Disinfectants(消毒剤)/Hand hygiene(手指衛生)/Disinfection of the environment(環境消毒)/Shelter(避難所).